契約時の書類に両親の名前を書いたけど…、これって保証人ですか?
あらゆる借入方法において消費者金融が優れていると感じる点は、その気軽さにあると言えるでしょう。あまりの気軽さ故に、デメリット(必要以上に借り過ぎてしまうなど)にも数えられますが、「いつでも・どこでも・迅速に」という点は、やはり魅力であると考えるのが妥当かもしれません。
そうした消費者金融の気軽さを生み出しているのは、ATMの充実や即日融資などもさることながら、(一部の業者や100万円を超えるような高額融資を除き)多くの場合で「無担保・無保証人」である点に集約されるかもしれません。
そもそも融資を受ける際には、返済が滞った際などの保証として、「担保」ないしは「保証人」(もしくはその両方)を設定することが通常です。「担保」とは、簡単に言えば「返済できなかった際には現金に換えて返済に充てるための物」のことで、「保証人」とは「返済できなかった際に、代わりに返済する人」のことです。
多くの場合、消費者金融は小口(1〜50万円程度)の個人利用者を対象としています。一般的な定義としては、(銀行などと比べて)高めの金利を設定している代わりに、上記の担保や保証人が不要として間口を広げていると考えられます。
しかし消費者金融との契約の書類や窓口でのやりとりの中で、両親や身内の名前・勤務先などを聞かれるケースがあります。これは、保証人をとっているということではないのでしょうか。
保証人は、本人に対しての書面の交付、および確認・捺印なしでは設定することはできません。つまり契約時に名前を記入・伝言しただけでは、保証人になったことにはなりません。このため、仮に返済が滞っても、名前を記入・伝言した人(この場合、両親や身内)に請求が行くことはありません。ただし万が一、利用者が死亡した際などには、債務は法定相続人が引き継ぐことになり、支払いの義務が生じる場合はあります(ただしこの場合においても、相続を放棄したり、契約内容によっては支払いを否認することもできる)。消費者金融で両親や身内の名前を聞かれるのは、利用者本人の信用調査や身元確認の一環であることが多いようです。
ここで、一般的な知識として「保証人」と「連帯保証人」の違いを見てみましょう。似ている言葉ですが、この2つは全く異質のものと考えた方が良いかも知れません。「保証人」には広義で「身元を保証する人」といった意味も含まれています。融資においてはどちらも、債務に関して責任をもつ立場の人のことですが、仮に債務者(融資を受けた人)が支払いを放棄して逃げてしまった場合、「保証人」は支払いに対して意義を申し立てることができます。しかし「連帯保証人」は債務者と同等の責任を負うので、この場合では支払い義務が生じ、それを拒否することはできません。
良く言われることですが、「連帯保証人」にはこのような責任があるため、簡単に引き受けるべきではないとされるのです。